| DT50のゲリラ整備 就職活動時に起こったDT50のトラブル |
| ああ、何故あの時マイDT50はエンジンが止まったのか? DT50は現在、走行距離68000km近くになる。むしろ2ストの原付でこの距離は異常であり、普通に乗れていること自体が奇跡であると言うバイクショップのマスターも中にはいる。2サイクル車を売却する場合、10000kmを超えていると、二束三文にしかならないと、足元を見てくるアコギなショップもいる程だ。 そんな2003年4月24日、自分は就職活動に参加するため、実家に帰ることになった。移動コミューターは勿論DT50である。そんなDT50で帰路を快速に転がしていると、急にエンジンがグズリ始めた。出だしは気持ち良く回っていたエンジンだったが、急に吹けあがりが悪くなった。平地でも4速以下でないと引っ張れない始末だ。そんな時信号に引っかかり、スロットルを戻し、アイドリングに入った途端エンジン停止!何度キックしてもかかる気配はない。場所は丁度下宿と実家の中間辺りであった。周りにはバイクショップらしき所は見当たらなかった。弱り目に祟り目とはこのことで、雨脚も強くなり、遂には日が暮れてくる始末だ。自分は何度も押しがけを試みるが、全くエンジンが回らない。 仕方ないので近くの民家のおじいさんに頼み、修理できる場所と明かりを提供していただいた。車載工具で考えられる個所を分解してみる。一番クサイ点はキャブレターである。よくゴミが入り込み、メインジェットが詰まって、まるでリミッターがかかったかのようにパワーが落ちることが、過去によくあったからである。分解しても要因となるゴミは見当らなかった。次はプラグである。2サイクルの場合、低速でハイギヤにしたりするとよくガブリが生じることがある。案の定、カーボンやオイルでベトベトであった。ウエスを提供していただいたおかげできれいに磨くことができた。解体した部品を組み上げ、さあっキックだ!ガシュ、ガシュ、と数十回蹴るがエンジンがかかる様子はない。次は押しがけだ。チョークを引き、バイクを押して1速にギヤを入れ、クラッチレバーを開放する。ビリン、パン!パン!パパン!!と聴き慣れたDTサウンドを掻き立てて、エンジンが回り始めた。何度もふかして安定化させる。だめだ!スロットルを戻すとエンジンが止まってしまう。 おじいさんが車屋なら数キロ走ればあるから…と教えていただいた。「エンジンがかからないようなら取りにきてもらえるよう電話してあげようか?」と親切にも仰っていたが、スロットルを戻さず、5000rpm辺りでふかしながら操作すれば何とか行けそうだったので、色々手数かけたことのお礼を言って、エンジンの機嫌の良いうちに出発!、自走することにした。走り出すと以外にもエンジンが調子よく回っている。それでも吹けあがりはかなり低下しているが。これなら実家まで何とか持ちそうであると悟った自分は、我がDT君が頑張ってくれることに期待し、残り60kmを走破した。自分が悟ったとおり、DT君は実家まで何とか耐えた。そうだ、良い馬は飼い主の言うことをきくものである。 さあもう一度解体だ。キャブを完全に分解してみた。キャブクリーナーをかけてきちんと洗浄し、タンク内の燃料も完全に抜いてみた。再び組みあげて、キックしてみる。やっぱりダメだ。押しがけをしてみると以前より軽くかかった。アイドリングもきちんとついてくる。 ううん?排気を見れば、やたら煙が出ているぞ。いや、煙ではなく水蒸気?だ。乾いた排気ではなく明らかに湿っている排気である。今日は天候が悪いので湿度があるせいかとも考えたがこの程度の悪天候でへこたれるはずはない。やたら温度計の上昇が激しい。10分アイドリングしただけでレッドゾーンに指針が指している。これはおかしい。以前乗っていたCRM80と同じような症状である。まさかシリンダガスケットが朽ちて、内部に冷却水が漏れているのか?有り得ないことではない。コーキングした接着剤が劣化している可能性は十分ある。ガスケットも紙製であり、耐久性は然程良くないのだ。 しかし前回シリンダーを開けたのは2002年の1月であり、もう二度とシリンダーを開けないという意気込みで、コーキングしてしまった。それ故に今度シリンダーを開けるような事態になったら、もう廃車であると決めたのだ。まあそれはその時の決意であり、今となっては話は違う。丁度良いサイズでそこそこパワーの出るDT50はこの上なく便利であり、下宿先の屋根付きの自転車置き場に置くことも可能なのである。せめて後1年以上は耐えてもらわなくては。それにメーター一周である10万キロの目標達成まで約3万キロだ。よっしゃ!必ず直して乗るぞ!。さあーっ、シリンダーガスケットをショップに注文してこなければ。 ある友人は、これ以上乗るとタイヤが飛んでいきそうで怖いから止めろと言うが、我のDT君に限ってそのようなことは有り得ない(笑) 今回の要因を結論付けると、シリンダーガスケットが劣化→エンジン高回転運行→冷却水温度上昇→内圧が上昇(ボイル・シャルルの法則)→劣化したガスケットから、シリンダー内部に冷却水が侵入→燃焼の妨げ、点火不良→エンジン停止、キックで点火しない、排気から水蒸気?発生 このような具合であると自分は結論付ける(推測)。今回初めてDT50のゲリラ整備をすることとなった。公衆の目線が集中する中で整備することはなかなか緊張するものである。見知らぬ他人に協力を求める術、どんな環境においても整備作業ができる精神力と行動力などを身に付ける良い機会となった。 旅に出ると必ず新たな発見や感動を得ることができるものである。たとえ実家に帰るだけの帰省であったとしても、それはそれで「旅」をしていることになるのだ。いつもと違う道を通ってみるだけで、普段と全く異なる世界がみえてくる。今回のような乗り物のトラブルや、天候の悪化も旅に付きまとう要素の一つである。 コーキングしたガスケットの有効期限は約1年であることも今回のことで検証できた。今度はコーキングしないで、液体ガスケットを使うことも検討に入れたい。 |
| 意外な真相 |
| 2003年5月17日、注文しておいたガスケットなどのパーツがショップに届いたので、この日整備することにした。エンジンを開けてびっくり!よくまあ動いていたなぁと思わせるような状態だった。→原因解明 |