XR100モタード タペットナット脱落故障の巻

秋のオーバーホール 2005年10月08日
 先週のことである。自分は松山に向かおうとXR100モタードを走らせていた。松山といえば夏目漱石の「坊ちゃん」とか「道後温泉」などで有名である。今回は別にツーリングというわけではなく、今年の冬に古くなったオーディオ群を総入れ替えのため、大型電気店に下見に行こうと思っていたのだった。
 そんな道中も中間地点に差し掛かり、赤信号で止まりさあ青信号でGO!と発進のつもりが久々にエンスト。最近は何度も同じ道を通らなければならないことが億劫かつ憂鬱で仕方が無い。そんなイライラから思いっきしキック!スロットルも全開状態。一発で始動し負荷がかかっていない状態も相まって、その時の回転は恐らく規定回転数をゆうに超えていたのは確実。今回は流石に無理っこ矢理っこに回しただけにタダでは済まなかった。ジリッという音を立てた後、ガチガチガチ・・・と物凄い音を轟かせてエンジンは回っていた。どうも空回した勢いでタペットが緩んだらしい。
 で近くに停車。タペット調節くらいは車載工具で対応できそうであったが、エンジンのヘッドカバーを開ける必要がある。今まで走行していたためエンジンは相当熱い。不幸?なことに今回のグローブは軍手ではない。増して今日は秋とは思えないくらいに暑いので道端でエンジンが冷えるのを待つような気はおこらない。緩んでいるくらいならいきつけのショップまでは大丈夫だろう・・・と引き返した。ちなみにそのお店はタペットが緩んだ所から20kmくらいある。
 タペットが緩みクリアランスが増した分、パワーが体感できるほどダウン。試し試し70km/hくらいは出たが、緩んだナットの脱落を避けるためゆっくりと走る。急発進やエンジンブレーキなどエンジンの回転を急変化させるような操作は避ける。
 何とかショップまでは行けたが、これなら自宅まで大丈夫だろう・・・などと鷹をくくった自分がバカであった(爆)ショップからさらに20km進むのだが、自宅まで後もうチョイという所でガコンと鈍い音がエンジンから聞こえた。タペットのナットが確実に脱落し、カムか何かの間に挟まり砕けたもよう。凄いのはこれでも自宅まできちんと走り続けたということである。流石はホンダの単車である・・・なんて言っている場合ではない。

点検
 
カムもボロボロに                   破損したタペット調整ナットとボルト
 早速ヘッドカバーを外してみたら、予想通りタペットのナットが無くなっていた。無くなったナットはカムの真下にあるオイル受けに落ちていた。拾い上げてみれば潰れて割口が出来ていた。回転体の何かに挟まり潰れたことは確実。
 ここで幸いだった点を挙げれば
◎外れたナットがクランクケース内に落ちなかったこと→ドライブカムスプロケットを破損する恐れ・腰下分解が必要になる
◎カムとロッカーアームとの間に挟まらなかったこと→バルブのリフト量がその分アップしバルブキッスを起こす→最悪全損
◎ナットが潰れるだけでバラバラに砕けなかったこと→オイル通路を塞ぐ・上の事例もあてはまる などなどハイリスクな事例の山。
とにかくこれでもまだ運が良かったと思わなければならない。

 見える範囲の破損はカムとタペットのナット、そしてヘッドのオイル受けに浅い傷があったこと。現時点では他の破損具合は分からないので、見える破損を直してエンジンをかけてみるしかない。とりあえずタペットとナットを注文。カムはとりあえずボアアップキットの付属カムをやめてノーマルのカムに戻すことにした。オイル受けの破損は鑢とペーパーで何とか修正できそうだった。

一難去ってまた一難、この場合弱り目に祟り目というべきか・・・
 まあとりあえずパーツが届くまでXR100モタードはお蔵入り・・・ととりあえず見通しはついた。来週は車かDTで通勤しようと思っていた矢先、頼みの車ジムニーもマフラーが腐って脱落し乗れなくなった。しかもその週はほとんどが悪天候。
もぉおおおおっ!(><)後はDTかインテリ(自転車)のどちらかが頼り(DTがあって助かった(^^;)

一週間後タペット部品到着・足回りのドライブ系交換/リンク系の点検も行う
 ちょうどドライブチェーンも伸び伸びで、前の山口ツーリングから替えよう替えようと言っていたがそのままだった。また雨の日の走行も何度もしているので一度リンク系のオイル状況も点検することになり、タペットの交換を起爆剤に秋のオーバーホールへと繋がったわけなんだ。


タペット修理
 修理といっても取り替えるだけなので、然程時間はかからない。しかし破損状態を確認する必要があるので腰上の分解を余儀なくされた。ナットの一部欠片も発見できた。


 エンジンを降ろし腰上の分解を行ったが、もう何度も行っているのでかなり慣れた。幸いヘッドから下シリンダーやピストンは大丈夫だった。

近々ヘッドの交換が必要
 組み付け後、タペットを適正に調整してもカチカチ音が以前よりも大きい。特に冷間時は顕著に表れる。カムを手で触ってみるとカタカタとナナメ方向に動く。これはジャーナルが偏磨耗して傷んでいる可能性がある・・・というか前の状態がどうだったのかは覚えていないが。焼きの入ったカムをあれだけの傷を入れるのだから、その時の衝撃は凄まじいはずである。ホルダーのジャーナルは鋳鉄製で硬い。逆にヘッド側のジャーナルはアルミでできており磨耗するならこちらの方が先にくるはず。というわけでジャーナルが傷めばヘッド丸々の交換が必要。さらにボアアップのシリンダーやピストンも以前から騙し騙し使っているがもう限界がきている。これらもそろそろ要交換である。今回ボアアップ用のカムを購入しなおさなかったのはそのため。できれば全て同時に交換したい。
 ただノーマルのヘッドCOMPとボアアップキットを揃えると最低でも福沢諭吉が6枚程必要になりそう。これならいっそのことスーパーヘッドのボアアップキットを購入した方がよい気がする。
 というわけで今後スーパーヘッド+ボアアップキットの導入予定しているがまだわからない。

※今回の事例は明らかに以前エンジンを開けたとき、タメットの締めが甘かったことが原因と言える。決してホンダのこのXR自体がボロイわけではないのでそこら辺はご承知のこと。


教訓・・・タペットが緩んだと思ったらすぐにでも増し締めを行いたい。安全上緩く締めるよりかはきつく締めた方がベター


ドライブチェーン・スプロケ交換
 ノーマルのチェーンはノンシールチェーンで正直あまり長持ちしない(伸びるのが早い)。それでもチェーン張り調整を頻繁に行えば8000kmくらいは(乗り方に大きく左右されるが)走行できると思う。とはいえ雨の日を走行した場合すぐにでもオイルを塗布してやらなければすぐに傷む。ロングツーリングにもなれば途中でチェーン張りは必須の上、チェーンオイルも携行しなければ安心はできない。そこで今回はシールチェーンに交換することにした。


420サイズのシールチェーンはRKのGP420MRU・・・U-リングチェーン
 420サイズのチェーンは主に49cc〜100ccくらいまでの原付マシンに多く採用されている。このクラスは元々純正でノンシールチェーンが採用されている。そんなわけで仮に420サイズのシールチェーンを造る場合、横幅がシール分増すため車種によってはチェーンライン幅をオーバーし干渉してしまうためチェーン幅に制約がある。だから一般的なシールチェーンであるOリングは絶望、最新の低フリクションチェーンであるRX、WXリングチェーンもヨコ幅が増すため420サイズでは恐らく製造・発売は無理っぽい。
 そんなわけでRKの420サイズのシールチェーンは今のところU-リングチェーンしか選択肢はない。→
後でわかったんですが、DIDから420VというOリングチェーンが出てます。周りに取り付け例がないのでXR100モタードに使えるのかはわからないが。

 U-リングならノンシールチェーンと同じ幅でできるらしい。原付マシンに取り付けられる420サイズのRKチェーンの中では
RKのGP420MRUが今のところ最強。ただ同じエンジンを積んだCRF100は428サイズが使われているので、XR100Mでもスプロケが428サイズのものがあればコンバートできるはず。
 チェーンも良質のものに替えるため、同時にスプロケットも交換する。

 
 ドライブスプロケはエイプの時から使用しているので約13000km使っている。新品と比較すれば歴然の磨耗具合。


 ドリブンスプロケは然程磨耗は見られなかったが、一新することにした。

駒数は110リンクがピッタリ
 自分のXR100モタードの場合、ドライブスプロケットが15→17丁、ドリブンスプロケットはノーマル33丁の組み合わせである。この場合だとチェーンの駒数は110で丁度ピッタリ。一度ノーマルチェーンを切ってしまえば後はチェーンカッターは不要(自分の場合はクリップ式派なのでカシメる必要はない)。スプロケットがノーマルの歯数でもチェーン張りで調整すればカットなしで使用できるかもしれないが定かではない。

初期伸びに注意
 新しいチェーンはノンシールチェーン・シールチェーンにかかわらず使い始めに少し伸びる。始めは数キロ走行したらチェーン張りを心がけたい。

2006年11月追加
チェーンオイル要注意
 封をきって最初に付いてあるオイル(白っぽいタイプ)とクレのチェーンルブ(もちろんシールチェーン対応)とが混ざると、なんとなくオイル本来の機能が果たせてないような気がする(推定)。3000kmも走らないうちに、部分的にUリングのシールが剥離してきました。剥離した駒は一気に伸び始め部分伸びが発生してます。 結局ノーマルチェーンと同じくらいしかもちませんでした。オイルはRK専用のものを使用した方がよいと思われる。

リンク系点検
 XR100モタードは親分のXR250や400のようにプロリンク方式を採用。モノサスと相まってしなやかに路面の凸凹を受け止める。そんなプロリンクも悪路や悪天候を走行してそのままにしておくと、水が浸入して性能をスポイルしてしまう。現時で8000km走行しており、悪天候も何度も走行していることから一度点検してみることにした。
 ホンダのリンク系統は水とかの浸入が比較的少ないと聞くが、うのみにしてもよい気がする。分解したところオイルも全く干上がることなく、腐食も全くなかった。もっとも購入してまだ1年も経っていないので当たり前と言えば当たり前。けれどヤマハのDT50を乗っていた時は結構浸入が激しかった。今以上に雨の日走行が多かったからかもしれない。

 
 各パーツはオイル切れもなく良好。ただスタンドを外さなくてはボルトを抜くことができないパーツもあったが、オイルも切れていない状態が確認できたので分解しなかった。

 リンクやスイングアームの分解にはレーシングスタンドが欲しいところですな。



ホーム単車の間へカスタム・メンテナンス記録へ