ピストンリングの交換
 高専の卒業試験が間近である2002年2月15日に59000キロに達したDT50のピストンリングの交換を実施した。ボアアップして1度も交換していないのでかなりへったっているはず。普通2STのリングは15000キロで交換するのがよいとされている。

 ピストンリングの交換が必要であるか否かはチャンバーを外し排気口からピストンを見てみて茶色の焼きつきがリングの下まできているようなら絶対交換すべき。これはピストンリングが磨耗してクリアランスが大きくなった証拠。ピストンリングがへたってくるとシリンダーに傷を付けてしまう上、エンジンから「カンカン」と金属をたたくような音がしたり低速トルクがなくなり逆に高回転がよく伸びたりする。

 今回はこーげん君にバックアップを頼んだので作業が楽々と進んだが思わぬトラブルで作業は4時間もかかった。
 必要なもの
 
左 44mm径ピストンリング       右 パッキンセット
 ボアアップキットのシリンダーはキタコ製であるのでそれに合わせてピストンリングもキタコのものである。リングは1500円であるがシリンダーガスケット類の交換も必要である。抜いたクーラントは今回はリサイクルして再使用したができれば新品にしたいところ。
 ヘッドとシリンダーを分離させず上手に取り外すとヘッドガスケットは交換しなくても済む。これはコーキングしているからできること。

コンロッドとクランクの隙間にピンなどが落ちると大変だ。ウエスでカバーして行おう。
 交換作業自体は総点検で行ったようにシリンダーを外せばよい。今回クーラントを抜ききれていなかったためシリンダーを外す際クランク部に入ってしまい大変だった。クーラントは車体を揺す振ってでもきちんと排出したい。

 クランク部に入ったクーラントを抜くには始めはギヤボックスを開ける必要があると思われたがどうも繋がっていないみたいでギヤオイルには混ざっていなかった。仕方なく車体をひっくり返し抜くことに。パーツクリーナーを使用してきれいに洗い流した。これはDT50が76kgと非常に軽いことと、今回こーげん君がいたことが幸いして行えた。
 交換は古いリングを外し、新品のリングをはめる。この時ピストンのリングがはまる部分にピンがあるのでそこにリングの切れ端をはさむようにはめる。

 シリンダーにピストンをはめる時に必ずピストンのリング周辺とシリンダー内部周辺にオイルを塗布しておくこと。これを怠ると必ず焼きつくぞ。

写真のようにピンに注意してはめる。(写真は純正のピストンでボアアップピストンはリングが1個)
 コーキングしていたシリンダーとヘッドは外すときガスケットが貼り付いて3分離してしまう。(コーキングする理由は総点検を見てね。)これを取り除くにはガソリンを歯ブラシに染み込ませてこすりガスケットとコーキングボンドを腐食させながらマイナスドライバーなどで削り取るしかない。DT50のヘッドはアルミ製なので慎重にやらないと傷がついて水漏れが大きくなり使用不可能になってしまう。
 
コーキングで水漏れを何とかくいとめているが作業が大変。コーキングが必要なんてもう限界が近いね。
 コーキングはセメダインのシリコーンシーランドというのを使用した。今回はホワイトを使ったが目立たない半透明もある。これは200℃まで耐えられるのでDTの水冷エンジンの外面には十分耐えられる。ホームセンターで350円ぐらいかな。
 
 シリンダーとヘッドの外面も塗布しておいた。今回シーリングを剥がすのにシリンダーヘッドの面がかなり傷つけたので今度シリンダーを開けることになったらもう修理不可能だな。
今回交換したものの費用など
パッキンセット コード960-0037000  シリンダーヘッドガスケット、シリンダーガスケットなどのセットで1550円
ピストンリング コード352-0003440  60ccボアアップシリンダー用が1500円
ギヤオイル 4ST2輪用オイル  ヤマハエフェロが某ホームセンターで980円
 今回の良き協力者

こーげん君 (バハお別れツーリングの時の写真)
 ほんとーに助かったよ。午後11時から午前3時まで付き合ってくれた。ごくろうさまでした。
 テスト走行
 エンジンをかけるとやはり安定するまで煙が多くなる。これはシリンダーとピストンリングとがなじんでいた2STオイルの層が失われたためでありこれから走ることで形成していく。交換して走ってみると高回転が重くなった。これはリングが死んでいた証拠である。トルク感が上がり坂道でもかなり登るようになり、エンジン音もかなり変化した。


カスタム・メンテナンス記録に戻る